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1945

2017-08-15 12:15:00

「1945」 連絡が来ないことが安心だった。 私の村に配達がくるのは日に一度、夕を告げる鐘が鳴らされるころだ。黄昏れ始めて真っ赤に落ちてゆく太陽を背に受けてその人はくる。「手紙、届いてないから。安心して」 いつもその一言に私は安堵する。聞こえないように小さなため息を漏らし、とくんとくんと波打つ胸に手をあてる。「良かった。あの人は今日も生きてる」 息子を呼び寄せて汗に濡れた髪を撫でて、大丈夫だったよって私は話す。「また、明日だね」「そうね。また、明日だね」 私たちは毎日、そんなふうに過ごしている。


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